「戸棚の上、収納ボックスの裏、壁板との間」
「え?」
「あんたが探してるものじゃないけど」
「見てみたら? いいことあるといいね」

 

「店主はいないよ」

「俺が、店主」
「前に店主は不在だと」
「夏休み前だったからね。テストもあったし、学業優先」
「でも夏休みに入ったから、学業はそこそこにして店主復活、と」 

 

「……ここだったんだ」
「なにか言ったか?」

「見つかった…見つけた」
「見つけてくれて、ありがと」

 

「なにか、御用でしたか」
「……お前さんが店主か」
「? ええ、買付でしばらく留守にしていましたが」
「高校生の子どもがいるだろう、黒髪で赤いピアスをつけた…猫のような」

 

極道の頭が必死に探すものってなんだろう。

薬物関係の資料とか?