シェイクスピアが好き
外典も含めて作品一覧を見てたら、タイトルがいいなあと思うのが多かったから、メモ兼ねてまとめておく。
なんていうかこう、お題的な、いつかこのタイトルで書いてみたいな的な感じで惹かれる。
寄りすぎて考えるとただの名前じゃんとかいまひとつな感じするけど、一歩引いてみると、妙にこったタイトルのあふれる現代においてはかえって新鮮というか。
邦訳もいいけど元の英語タイトルもいい。
基本的にwiki参照。
悲劇
- ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)ロミオ16歳、ジュリエット14歳。出会いから心中までの劇中時間は5日間。★
- マクベス(Macbeth)四大悲劇。2477行と四大悲劇中ではもっとも短く(全作品中でも「テンペスト」「間違い続き」に次いで3番目に短い)、最後に書かれたと考えられる。★
- リア王(King Lear)四大悲劇。3499行。★
- ハムレット(Hamlet)四大悲劇。4024行。シェイクスピア作品中最長。★
- オセロー(Othello)四大悲劇。3560行。登場人物の心理が明快で、四大悲劇中、もっとも平明な構造。ボードゲームのオセロの由来。★
- タイタス・アンドロニカス(Titus Andronicus)シェイクスピア全作品中、もっとも残虐で暴力に溢れているという点で異質。
- ジュリアス・シーザー(The Tragedy of Julius Caesar)ローマ史に基づいた「ローマ劇」のひとつ。
- アントニーとクレオパトラ(Antony and Cleopatra)ローマ史に基づいた「ローマ劇」のひとつ。四大悲劇から晩年のロマンス劇への移行を示す。
- コリオレイナス(The Tragedy of Coriolanus)ローマ史に基づいた「ローマ劇」のひとつ。
- トロイラスとクレシダ(Troilus and Cressida)問題劇
- アテネのタイモン(Timon of Athens)ファースト・フォリオなど一般には悲劇に分類されているが、主人公が死ぬにもかかわらず、「問題劇」(喜劇)とする研究者もいる。奇妙な構造で、そのために未完成説、合作説、実験作説と言われることが多い。
喜劇
- 夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)★
- 終わりよければ全てよし(All's Well That Ends Well)問題劇
- お気に召すまま(As You Like It)アーデンの森が舞台★
- シンベリン(Cymbeline)ファースト・フォリオでは悲劇に分類されていたが、現代の研究者たちは「(後期)ロマンス劇」に分類することが多い。
- 恋の骨折り損(Love's Labour's Lost)
- 尺には尺を(Measure for Measure)問題劇。「罪によって出世する者があれば、善によって転落する者もある」(第2幕第1場)「あなたが人を裁く同じ方法であなたは裁かれ、あなたが使う尺(measure)であなたは計られる(be measured)だろう」(新約聖書の「マタイによる福音書」7-2)
- ヴェニスの商人(The Merchant of Venice)人肉裁判。シャイロックがシャーロック・ホームズの由来?★
- ウィンザーの陽気な女房たち(The Merry Wives of Windsor)シェイクスピア唯一の「現代劇」
- 空騒ぎ(Much Ado About Nothing)当時は隠語(口語?)としてSomethingが男性、Nothingが女性を示していた。★
- ペリクリーズ(Pericles, Prince of Tyre)ロマンス劇。ファースト・フォリオには未収録
- じゃじゃ馬ならし(The Taming of the Shrew)★
- 間違いの喜劇(The Comedy of Errors)シェイクスピア全作品中もっとも短い。
- テンペスト(The Tempest)ロマンス劇。シェイクスピア単独作では最後の作品といわれる。「We are such stuff as dreams are made on, and our little life is rounded with a sleep.(我々は夢と同じ物で作られており、我々の儚い命は眠りと共に終わる)(第4幕第1場)」★
- 十二夜(welfth Night, or What You Will)劇中に十二夜の行事に関わるような台詞はない。
- ヴェローナの二紳士(The Two Gentlemen of Verona)シェイクスピア作品中もっとも登場人物が少なく、ヒロインが少年に変装する最初の作品。
- 二人の貴公子(The Two Noble Kinsmen)または「二人のいとこの貴公子」。ロマンス劇に含めることもある。
- 冬物語(The Winter's Tale)ロマンス劇。
史劇
- エドワード三世(The Reign of King Edward the Third)
- ジョン王(King John)正式な題名は「ジョン王の生と死(The Life and Death of King John)」
- リチャード二世(King Richard the Second)
- ヘンリー四世 第1部(Henry IV, Part 1)観客・批評家ともに人気のある劇。
- ヘンリー四世 第2部(Henry IV, Part 2)
- ヘンリー五世(The Life of Henry the Fifth)聖クリスピンの祭日の演説(第4幕第3場)が有名。
- ヘンリー六世 第1部(The First Part of King Henry the Sixth)
- ヘンリー六世 第2部(The Second Part of King Henry the Sixth or Henry VI, Part 2)
- ヘンリー六世 第3部(The Third Part of King Henry the SixthまたはHenry the Sixth, Part 3)
- リチャード三世(King Richard III)正式な題名は「リチャード三世の悲劇(The Tragedy of King Richard the Third)」
- ヘンリー八世(The Famous History of the Life of King Henry the Eighth)
詩とソネット
- ソネット集(Shakespeare's sonnetsまたはThe Sonnets)
- ヴィーナスとアドーニス(Venus and Adonis)
- ルークリース凌辱(The Rape of Lucrece)
- 不死鳥と雉鳩(The Phoenix and the Turtle)シェイクスピア作品の中でもわかりにくい作品のひとつ。
- 恋人の嘆き(A Lover's Complaint)
- 情熱の巡礼者(The Passionate Pilgrim)
外典と失われた戯曲
- サー・トマス・モア(Sir Thomas More)
- カルデーニオ(The History of Cardenio)失われた戯曲。
- 恋の骨折り甲斐(Love's Labour's WonまたはLove's labour's wonne)失われた戯曲。失われた作品なのか、他の作品につけられた別題名なのかは不明。以前は「じゃじゃ馬ならし」の別タイトルと思われていた。現在では「空騒ぎ」が最有力。
- マーリンの誕生(The Birth of MerlinまたはThe Child Hath Found his Father)
- ロークラインの悲劇(Locrine)
- ロンドンの放蕩者(The London Prodigal)都市喜劇。家庭劇(Domestic drama)に分類され、「英語で最初の自然主義演劇のひとつ」とも言われている。
- ピューリタン(The Puritanまたはthe Widow of Watling Street)多くの研究者は作者をトマス・ミドルトンとしている。
- 第二の乙女の悲劇(The Second Maiden's Tragedy)作者はトマス・ミドルトンと思われる。1984年のUpstream Theatreの上演では「The Tyrant(暴君)」、1994年のブリストルでのHen and Chickenの上演では「貴婦人の悲劇(The Lady's Tragedy)」で、それぞれ上演
- リチャード二世 第1部(Richard the Second Part One)または「トマス・オブ・ウッドストック(Thomas of Woodstock)」
- サー・ジョン・オールドカースル(Sir John Oldcastle)
- トマス・クロムウェル(Thomas Lord Cromwell)歴史劇
- ヨークシャーの悲劇(A Yorkshire Tragedy)家庭(民衆)悲劇。真の作者はトマス・ミドルトンが有力とされている。わずか10場で構成されている。
- フェア・エム(Fair Em, the Miller's Daughter of Manchester)ロバート・ウィルソンあるいはアンソニー・マンデイ作と思われる。
- ミュセドーラス(Mucedorus)1598年から1668年の間に「四折版」が17版も出るほどの人気作。最初は、熊は人間の俳優ではなく本物の熊によって演じられた。
- エドモントンの陽気な悪魔(The Merry Devil of Edmonton)喜劇。
- フェヴァーシャムのアーデン(Arden of Faversham)オリジナルの綴りはArden of Feversham。現存する中では最古の家庭悲劇。2001年夏、フェヴァーシャムで上演された。上演場所は実際の殺人の舞台となったアーデン家の庭。
- エドマンド剛勇王(Edmund Ironside, or War Hath Made All Friends)
- ジョン王の乱世(he Troublesome Reign of King John)
- ジャジャ馬ナラシ (The Taming of a Shrew)真作の「じゃじゃ馬ならし(The Taming of the Shrew)」と区別するため、日本語ではカタカナで表記するのが通例。
- ヴォーティガンとロウィーナ(Vortigern and Rowena)ウィリアム・ヘンリー・アイアランド作の偽作。
- ヘンリー2世 (Henry The Second)ウィリアム・ヘンリー・アイアランド作の偽作。
- 原ハムレット(Ur-Hamlet)失われた戯曲。Ur-はドイツ語で「原初の」の接頭辞。
- ウィリアム・ピーター氏追悼の哀歌 (A Funeral Elegy for Master William Peter)詩の外典。
- 死んでみようか、逃げようか (Shall I die? Shall I fly?)詩の外典。90行の恋愛詩。
★が読んだもの。そこそこ読んだかなと思ったけどまだ全然だったね。
音や意味や雰囲気的に好きなのは、
- お気に召すまま(As You Like It)
- ウィンザーの陽気な女房たち(The Merry Wives of Windsor)
- 空騒ぎ(Much Ado About Nothing)
- ルークリース凌辱(The Rape of Lucrece)
- 第二の乙女の悲劇(The Second Maiden's Tragedy)
- フェア・エム(Fair Em)
- ミュセドーラス(Mucedorus)
- エドモントンの陽気な悪魔(The Merry Devil of Edmonton)
- 死んでみようか、逃げようか (Shall I die? Shall I fly?)
あたりかな。
空騒ぎ(Much Ado About Nothing)はセンスが光りすぎててすごい。
フェア・エム(Fair Em)とミュセドーラス(Mucedorus)は音が好きー。