折れた刀から手紙が届く話

鬱っぽくホラーっぽい救われない感じで。

キャラクターはじじたぬとか石かりとかいろいろ考えたけど、こういう鬱っぽい救われない感じはやっぱり沖田組だろう、と原点回帰した(沖田組で思いついた)
折れた清光からどうしてだかときどき届く手紙を読む安定。
しばらくして鍛刀された次の清光が通りがかって「なに読んでるの」って訊くと普通に「清光からの手紙」答える安定。

「手紙のやり取りなんかしてたんだ」
「うん。書いて置いておくと、しばらくして返事がくるんだ。どこに置いてあっても、隠してあっても見つけるから清光はすごいよね」
「……隠してあっても?」
「これはおととい来た新しいやつ。こっちは寒くて暗いって。おしゃればっかり気にして厚着しないからだよ」
「……おととい?」
前の加州清光が折れたのはずいぶん前で、自分はしばらくぶりに現れた加州清光だと聞いている。審神者や近侍がうそをついていなければ――こんなことでうそをついても、彼らにたいした益はないだろう。
安定の持つ手紙は清光の場所からは覗きこめない。いや、覗き込めたとしても可能な限り見えないように、見ないようにしただろう。
にこにこと笑っている安定が薄気味悪い。得体のしれないものを目の前にしている気持ちだ。
安定が白紙を手紙と思い込んでいても、手紙が本物でも関わりあいになりたくない。
「返事書かなくちゃ」
無邪気に言ってうれしそうに笑う安定はもう、目の前の清光など見えていないようだった。

こういう薄気味悪い鬱っぽい救われない感じー。