琴線メモ:
センサ・ペルドゥーノ・センサ・ピエタ(許容もなく慈悲もなく)
漫画版皇国で知ったひと文。作者の創作かな。でも雰囲気がいい。
センサ〜は正しく覚えているのに、日本語訳(?)は「慈悲もなく許容もなく」って逆で覚えてしまっている…

アンファン・テリブル(Les Enfants Terribles)
ジャン・コクトーの小説「恐るべき子供たち」から。早熟・非凡で大人の意表外に出る行動をとり,脅威を感じさせる子供。
トルーマン・カポーティは、19歳で書き上げた作品(「ミリアム」)によりアンファン・テリブル(恐るべき子供)と評された。

名前メモ:
ティアレ
タヒチ国花

この島の、ある白い芳しい花、なんでも彼らに言わせると、一度この花の香りを嗅いだものは、たとえどこの地の果てさまよおうとも、いつかはきっと再びこのタヒチに惹かれて帰ってくるという(月と六ペンス、353ページ)

月と六ペンスは、割とよかった。
ぽつぽつと「ああ…」って納得とも感嘆ともつかない思いにさせられる文章があった。

「僕は言ってるじゃないか、描かないじゃいられないんだと。自分でもどうにもならないのだ。水に落ちた人間は、泳ぎが巧かろうと拙かろうと、そんなこと言っておられるか。なんとかして助からなければ、溺れ死ぬばかりだ」

「もちろん、僕がだよ、あの男も惜しいことをしたもんだなどと言えば、それは偽善だよ。とにかく僕はおかげで得をしているんだからね」そう言って彼は、長いコロナの紫煙を気持ちよさそうに吐き出した。「だが、もしこれがだね、僕自身に関係したことでさえなけりゃ、やっぱり馬鹿なことをしたもんだと言いたいねえ。自分の一生を、こんなふうに台なしにしてしまうなんて、意味ないよ、君」
だが、果たしてエイブラハムは一生を台なしにしてしまったろうか? 本当に自分のしたいことをするということ、自分自身に満足し、自分でもいちばん幸福だと思う生活を送ること、それが果たして一生を台なしにすることだろうか?

イギリスやフランスでは、彼はいわば円い穴に差しこまれた四角な木釘だった。ところが、ここでは、穴はどんな形にでもなるのであり、したがって、どんな木釘でも合わないということはない。

「いったいどういうことです、それは? あなたとストリックランドと、これはまたあまりに掛け離れた二人が、同じように求めていたとおっしゃるものは?」僕は笑いながら、訊いてみた。
「美なんだよ」
「これはまた大きな話で」と、僕は呟くように言った。

仏語がルビで振ってあるのとか、火焔木とか、日本語として伝わりやすい良い訳で知らない物があれこれ出てくるのも面白かった。