花祭パロ5

……とうとう5かよ……。

その1とかその2とかその3とかその4とかを経て、もやもやイメージ的な感じはできてきてるんだけどなー…あんまり雑多すぎて。
つか、イメージっていうより妄想か。こういうこういうこういうのが読みたいのーっ!っていう妄想の産物……。

で、今回はCCP(と前田くん)のエピソードがぽこぽこっと出てきたからメモっとく。
その4で遊び人風作曲家って書いたけど、最近は軍人のイメージ出てきた。(皇国の守護者読んでるから…)
鶴丸の知り合い、学院に出入りしている人気者、っていうところは変わらないけど、目は誘拐事件関連じゃなくて、訓練中の事故で喪失。
しばらく学院にこないからどうしたかと思っていたら、学院が慰問でたまに花を派遣している病院に入院中。
平野が鶯丸のところへ行ってしまったため前田くんがひとりで病院に訪れ、以前学院で教えていたというご老人と親しく話して帰ろうとしたときにばったり。
ご老人の容体が悪くなったとき、親族ではない前田くんは病室にいられないけど離れるのも不安で談話室でひとりでじっとしてる。寄り沿うCCP。トレンディドラマか。
退院にあたって、参謀や軍監本部などに引きとめられつつも軍を退役することにしたCCP。軍からは傷病手当やら退役軍人年金やらの手当を一括で受け取り、隻眼になった身で独立するという息子を心配した家からは多量の生前贈与という名の財産分与が。

「大儀でございました」
「ありがとう」
「これからはどうなさるお考えですか?」
「それなんだけど、前田くん、これを見てくれる?」
「なんでしょう、」
燭台切が持つ冊子を覗き込んで、前田は弾かれたように上体を起こした。
「どうしたんだい?」
「燭台切さま…そういったものは往来で他人にやすやすと見せるものではありません」
「そうか。じゃあどこか喫茶店にでも入ろうか」
「この場合より重要なのは往来ではなく他人です。…預金通帳など、他人の僕が見ていいものではないでしょう」
「みっともない数字ではないと思うけれど」
それは確かにその通りだった。一瞬見ただけだが、みっともないところか前田には一生縁のなさそうな数字だ。
「使う当てがあまりなくて、俸給は貯まる一方だったんだ。で、今回の退役に当たって軍から傷病手当とか退役軍人年金とかを一括でもらったうえに、独立するって言ったら家が心配してね。人を寄越すって言うからいろいろ自分でやりたい身としてはちょっと面倒で、断ったら変わりに分与って形で持ってきて」
「…」
「これで、君を迎えられる?」
「え、」
「君は高いのかな。和楽を学びたいとも思っているんだ。大学に行って、勉強して、君に弾いてもらえる曲を書きたい」
足りないだろうか。謙遜や遠慮ではなく、本心からの不安を少し滲ませた表情を見上げる。前田の胸がきゅっと詰まる。
足りないわけがない。前田は自分自身の値段を知らないが、燭台切の預金通帳に記されていたのは人生を数回は遊んで暮らせそうな数字だった。この先の数十年をどれだけ遊蕩してすごしても半分は残るだろう。
その金で前田を迎え、大学へ通う。……十分すぎる。

本当は「大儀」は目上から目下に向かうことばだけど、前田くんに「大儀でございました」って言ってほしかった。